蜘蛛型舞踏体の誕生によせて
○蜘蛛型舞踏体に託す希望(武器を置くために)
蜘蛛型舞踏体は善政への希望であり、夢でもある。
そのため、戦闘能力を排除する方向へ動いた。
理由は単純である。
戦闘能力(銃)を有した種族を生み出すことは、その種族を戦闘に使うことになるだろう。
武器として生まれた種族は武器として生きることが義務付けられてしまう。
護るために武器として生まれたならば、平和になった際に武器を排除しなければならない。
FEGはすでにその円環に気付いている。
なぜなら、FEGは戦闘特化した国家だったからだ。
FEGが共和国の銃であるならば、世界が平和になれば、FEGはその存在価値を失う。
平和を目指し、善政を生みたければ、国家を変えなければならない。
前述したが、そのための足がかりが、蜘蛛型舞踏体の誕生なのである。
蜘蛛型舞踏体は、FEG初とも言える平和的活動を目的とした種族アイドレスである。
平和のために生まれたアイドレスが、平和を護るために戦うことはあるかもしれない。
しかし、世が安寧であることが、蜘蛛型舞踏体の能力を最大限に発揮できるのである。
同時に、蜘蛛型舞踏体の能力を最大限に発揮できる社会を、FEGは構築する。
FEGの理想が蜘蛛型舞踏体という種族を生み、蜘蛛型舞踏体の存在が、FEGを善政に導いてくれる。
これが、平和的活動を目的とした種族アイドレス、蜘蛛型舞踏体に託す希望である。
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○蜘蛛型舞踏体問題点の改善
戦闘用に開発された舞踏体を根幹とするがゆえに派生した問題点も多い。
これらは、過去に蜘蛛型舞踏体が大増殖した際の弊害(夢の剣事件)からも学んでいる。
延命のため蜘蛛型舞踏体に意識を映し、結果、個々の人格を失い、個体としての危機管理が薄れ、自己増殖(政策で禁止していた部分)に繋がり、大繁栄をみせた。
しかし、黒い塊事件により、それらは崩壊してしまった。
約3500万という蜘蛛型舞踏体が、総体の意識となり、それが同時に停止したため、全滅に近い状況を生み出してしまったのだ。
それらは蜘蛛型舞踏体着用者のレポートなどでも明らかになっており、ネットワークに意識がつながったことにより、総体としての意識に個人の意識が統合され個人と全体の区別が無くなったため、連鎖的に起きた悲劇と言える。
当然、黒い塊事件直後、機能停止した蜘蛛型舞踏体のデータ復元なども試みられたが、消滅したデータは復元できず。
結果的に約3500万人もの国民(蜘蛛型舞踏体)は死亡した。
この悲しみの中で、学べたことは、
行き過ぎた便利さを追求した結果、個人として意識が保てなくなってしまう。
人が人であることを結論づける人格や個性をコピーすることはできない。
人・猫士・人型舞踏体、すべてのFEGアイドレスにも同様の結論定義が存在し、FEG全体、種の問題になりかねない。
※その他の問題点改善、対処方法は、別ページの蜘蛛型舞踏体開発概略やロングインタビューなどに詳細が掲載されている。
蜘蛛型舞踏体は平和的活動を目的に生み出されたアイドレスではあるが、人という種族が使用したために生まれた弊害は確かに存在した。
結論としては、種族としての形質は人の形質と同様であり、個性・個体を失っては成り立たないものである。
結果として、蜘蛛型舞踏体という種族を分けることにより、蜘蛛型舞踏体自身を存続させることができるのである。
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○さいごに
人も猫士も戦うために生まれたのではないと信じます。
サイボーグはそもそも、医療行為のために生まれたと信じます。
それらの延長線上に存在する、蜘蛛型舞踏体。
どのような種族も、長所があれば短所もあるのだ。
おおらかな思いや行動が長所であるならば、戦うことが短所で良い。
この世界を護るためにどうしても戦う場合、その短所は皆で補い合えば良い。
現在まで、弱い人を護り、強化するために開発されたFEGウォードレスは「煌月」「咆月」「月詠」などがありました。
ある意味、戦略兵器である「月」の名前を冠した裏の存在、ウォードレス。
戦闘時代のFEGを支えてくれた「月」たち。
蜘蛛型舞踏体はフィールド・エレメンツ・グローリーにとっての平和の象徴になりますように。
蜘蛛型舞踏体が生み出す愛きょうが、国を明るく照らしてくれますように。
蜘蛛型舞踏体の通称を「天を照らす」「天の輝き」などから。
アマテル。と、名付けたいと思います。
フィールド・エレメンツ・グローリー藩王 是空とおる
スタッフリスト
総括:
是空とおる(説明文、設定チェック)
メインスタッフ:
ジャイ(SS、設定考案、設定チェック)
高梨ひひひ(設定文、設定考案)
那限・ソーマ=キユウ・逢真(設定文、設定考案)
十字(イラスト)
多岐川佑華(SS、ページ作成)
サブスタッフ:
久珂あゆみ(設定考案)
小鳥遊敦(設定考案)
観(設定考案)
& ALL FIELD ELEMENTS GLORY STAFF